【2022年最初のトップニュース】『GROUP ANARCHY』エルコレ参戦の真相 ──鳳帝の懺悔と本音
「重大な話があるので、記事にしていただけませんか」
──2021年12月末、いつになく真剣な声音で horeru編集部にかかってきた一本の電話。それは歌舞伎町伝説のホストにして現在『group anarchy』を率いる『鳳 帝 / おおとり みかど』からの連絡でした。
そして一足早く知らされたのが、『group anarchy』全3店舗の『L’s collection / エルズコレクション / エルコレ』ブランドシェア(BS)のニュースです。現在業界を駆け巡っているこの特報、まだまだ全体像が見えていない方も多いのではないでしょうか。
今回 horeru は『鳳 帝』本人から取材をし、『GROUP ANARCHY』が『エルコレ』ブランドシェアに踏み切った理由として、ここに全文を掲載します。新たな歴史の1ページが始まる瞬間に私たちは今、立ち会っているのです。
エルコレの未来を確信した2021年
鳳 帝
そうですね、とりあえず……何から話そうかな。
まず、今回のことで「『GROUP ANARCHY』はエルコレの傘下に入った」とか、「吸収された」とか思っている人がいたら、その認識は間違っていますし本当に古いと思うと言っておきます。現に経営体制も、運営体制も、何も変わらず誰一人欠けることなく、2022年も始まります。
僕はこういうキャラなので、また突拍子もない事をし始めたと思われるかもしれないですけど、これは根拠と自信と確信のもと、ご縁とタイミングによって生まれた機会であり、運命であり、宿命であり、勝負だと思っています。
──機会であり、運命であり、宿命であり、勝負。
鳳 帝
そうですね。エルコレとはもともと仲良くしていただいてましたし、実はこれまで、助けてもらったことも多々あったんです。内容は細かくは言えないですが(笑)。そんななかでエルコレが「3年で日本一を獲る」というコンセプトのもと、コマを進めていく快進撃が、もの凄く魅力的に感じました。そして「エルコレという組織は、本当に間違いなく日本一になる」と確信したのが、今年(2021年)のことでした。
ブランドシェアをして一緒にやりたい、日本一を取りにいこうというお話をずっと頂いていて、色んなストーリーや想いがある中で2022年、エルコレ参戦の決断に踏み切りました。
でも、あくまでも『GROUP ANARCHY』は「攻め」のみのグループなので(笑)。エルコレに殴り込み、エルコレで殴り込みというコンセプトで、また更に勝負をかけるかたちで参戦させて頂くイメージですね。
エルコレ新年会で痛感した非力さ
──つまりエルコレの一員としてエルコレで戦い、グループや店舗の成長を狙うということでしょうか。
鳳 帝
はい。きっかけは、2021年3月にエルコレの新年会に招待してもらい、来賓席で見学したことでした。そこでまさしく業界随一の、とんでもない規模感の新年会を目の当たりにして、衝撃を食らうわけですよ。「なんやこれは」と。
新年会に出ているグループさん、店舗さん、プレーヤーさんたちの目の色がすごくキラキラしていて、さらに壇上に立って表彰されている店舗さん、プレーヤーさんはもっとキラキラしていて。
その壇上は、言葉では表現しきれない、もの凄く価値のあるものとして、目に、脳裏に、心の奥に突き刺さりました。そして、そのエルコレの壇上はやがて、日本一の壇上になるのか、と。
ふと思いました。僕はうちのグループでプレーヤー達を愛しています。それは、もう愛情たっぷりです。売れてほしい、輝いてほしい、稼いでほしい、もっと人間として、男として、ホストとして立派になってほしい思いしかありません。でも「この景色、環境を、果たして自分は今のままやとあと何年、何十年で作れるんやろう」と。
経営者や代表者ならもう絶対、こういう壇上に上がって喋ったり、表彰される、目指していく機会というのは、キャストに作ってあげたいに決まってるじゃないですか。でも自分がこのスケールの、価値あるものを作るには5年や10年かかるか、もしかするとできないかもしれない。
ということは今一緒に頑張ってくれているキャスト達には、その景色を見せてあげられずに卒業されていくわけで、それはホンマにもどかしい、嫌やなって思ったんです。本当に、あんな何千万もかかるような、歌舞伎町の第一線と言われているステージをどうやったら作れるんやろうと、自分の能力のなさと非力さからくる苦悩と言ったらいいのか……それを感じたのは、大きなできごとでしたね。「本気」ゆえのジレンマというやつです。
──大規模な表彰式も行えるくらいの力がほしい、ということでしょうか。
鳳 帝
というよりは、本物のステージに立ちたいというか。はるか昔のことですけど、俺もプレーヤーのときは、お店を本当に歌舞伎町で一番売上のある店にしたし、当時プレーヤーとして一番売り上げた自負もあります。
その頂点の景色を思い返すと、店舗もキャスト達も、変な意地ではなくいい意味での争いとホコリがあったと思うんですよね。俺たちが歌舞伎町の1番高いステージだと。その感覚をシェアするイメージと言えばいいのでしょうか。「井の中の蛙」じゃ無理なんですよ。本物を知っていないといけないし、目指さないといけない。
ならば、エルコレというブランドを「ブランドシェア(BS)」をする。そのブランドを日本一にする。そう言った話です。
今、エルコレ内部から、グループが生まれていっています。そして、グループ外部からは我々の参戦です。内部も外部も関係なく、横軸としてエルコレは形成されていきます。そんな、良い意味で概念を覆す柔軟な組織は、この業界にはありません。
その時代の最先端の考えや価値観に対して、色んな意味でコミットできると思ったので、今回の選択をしました。今の『GROUP ANARCHY』ならエルコレに行って勝負できる、勝負をする、勝負をしていく……という自信も思いも、強くなったことも含めてです。
また吸収合併のようなかたちではなく、グループを引っさげてのエルコレブランド参戦は、今回がはじめてのことだと思います。だからもう第一人者になってやろうとか、色んな思いを踏まえて「今や!」と思ったから、行くことにしました。
『ellie / エリー』との勝負に負けていたら……?
──具体的にはいつ頃、そのご決断を?
鳳 帝
時期は明確ではないのですが、『ellie』とのバトルイベントが終わって少ししたくらいに、「行くぞ!」と決めた感覚がありました。
『ellie』は、2021年上半期のエルコレ3番手のハイレベル店です。バトルイベント企画を通して、『SMILE GROUP / スマイルグループ』の夏稀会長と戦ったことも楽しかったですが、なにより本当に勝ち負けがわからないバトルイベントだったのに、エルコレの看板に傷がつく可能性も覚悟した上での、あの受け入れ方・懐の大きさ、「面白い企画はやっちゃおうよ」みたいな姿勢は刺さりました。
こんなに柔軟で、面白いものはどんどんやっていくべきというチャレンジ精神を持っているなんて、すごく素敵やなと思いましたし……なんとか勝たせてもらいましたし(笑)。
──では、バトル時はエルコレ参戦ということは決まってなかったんですね! てっきりそういうことなのかと……
鳳 帝
いや、そういう筋書きみたいに見えますよね。でもそんなことは本当になくて、ブランドシェアについてはずっと考えてました。本当に縁とタイミングと流れで、今回の2022年のエルコレ参戦につながっていった感じですね。バトルに負けていたら、ブランドシェアはなかったかもしれないです(笑)。今回はエルコレの中で本気で勝ちに行こうと思っているから、参戦することになりました。
──本気、ですか。
鳳 帝
そうです。本気だからこその決断です。考えてみてください、今の『ANARCHY』の実力では、エルコレに行ったら間違いなく新年早々、負けるわけなんですよ。歌舞伎町でも本当にトップクラスの1億円over店舗、1億に近い店舗、勢いが増していってる店舗が多数があってすごく強くて、1月からそんなお店に勝てるかというと、勝てるわけがないじゃないですか。
なので、負けるところから始めるわけです。これまでのまま「井の中」でやっておけば、そんな経験もしないで済むのに。それはなぜかというと、店舗として超一流店をつくりたい、それを本気で目指していきたいから。目指すべきところを作る。だからこその判断なんです。
だって勝てないと、勝ちに行こうとしないと、一番高いところの景色には到底たどり着くこともないんです。その景色をキャストに見せられず終わらせていく、ごまかす、見て見ぬふりをする、ということは、僕にはできない。エルコレに行かずに小さい規模でやっていたら、平和で、ある意味楽だったかもしれないですけど、それだけはちがうなと思ったんです。
それに今の『GROUP ANARCHY』の面子なら、今回の自分の判断を間違ってないと思わせてくれるはずなんですよ。2021年はグループとしても店舗としてもすごく濃くて、もう一段階上の「第一線」のステージを目指していいんじゃないかと思える期間でした。だからこそのエルコレ参戦でもありますね。
彼らならできる。壇上に立ってほしい。立てるグループ・お店やと信じています。2023年は立っててくれると信じていて、それを逆算するとやっぱり、参戦は2022年1月からじゃないとだめだと思いました。
──なるほど。
鳳 帝
人生は、いつも負けから始まると思っているんですよね。負けてからどうするかじゃないですか。そのときにそれまでの全部を力に、プラスに変えないといけない。となったときにやっぱり、これから日本一になるエルコレに行って、一番を目指さないと絶対に意味がないと思うんです。
これからは「エルコレに乗っかる」べき
──今後の帝さんの動きはどうなりそうでしょうか?
鳳 帝
「GROUP ANARCHY の鳳帝」と「エルコレの鳳帝」というふたつの役割が出てくると思うんですけど、それが楽しそうであり、大変そうだとも思っています(笑)。エルコレとして頑張れば、グループに確実に恩恵がもたらされる。一方で「GROUP ANARCHY の鳳帝」としては、他のエルコレ店舗さんに「勝負!」って挑みに行くようなものなので。この2つを、2022年からは楽しみながらやらせてもらうという感じですね。
今は正直、お金のためというより人のためというものの方がパワーが生まれるんですよ。もちろんビジネスですから稼いでいかなあかんというのはありますけど、基本はやっぱりキャストや運営陣を自分の人生の第一優先で生きたいです。そして店舗に確実にプラスになるような判断をしていく、楽しい勝負年にできればと思います。
今(注:取材は年末)はエルコレで撮影や発表準備を色々やっていて、2022年1月1日から色んな情報が解禁されているはずなので、記事が出る頃はいい感じの騒ぎになっていると思うんですが……なんせ面白いんですよね。エルコレのやることなすことが。
目新しいものに対してのスピードと仕事の手際、全部が早いし丁寧で、本当に見てて面白いんです。『GROUP ANARCHY』も2021年は勢いに乗ってきましたし、個人や店舗の売上記録も、それぞれ塗り替えられて急上昇しています。でももっと勢いを付けるべきだし、ある意味「エルコレに乗る、乗り込む」というか、そういう感覚があります。乗る、乗り込む……いや最早、殴り込む(笑)。そして一緒に戦う、が合わさったような感じですね。
──ひとくちにブランドシェアと言っても、すごく複雑というか……なんだか不思議な話ですよね。
鳳 帝
はい。最初も言いましたけども、この前代未聞の話を「傘下に入る」とか「吸収」だと思っていたら、もう本当に勘違いも甚だしいんです。ホンマに「参戦」やし、「エルコレに殴り込み、エルコレで殴り込み」なんですよね。殴りこみやけど、ジョインして仲間にもなるし、その中で『ANARCHY』は上を目指します。
──帝さん、めちゃくちゃ貪欲に上しか見てないんですね。
鳳 帝
そうですね、全ては働いてくれる運営陣やキャスト達のためです。上と前しか見てないです。それを突き詰めて、どうしても「超一流店」にしたいというのが自分の悲願です。一番上のフィールドで戦わせてあげたい。
野球で例えれば、野球にはメジャーとプロ野球、草野球があるじゃないですか。草野球からはじまり、プロ野球を目指して最終的にはメジャーへという、そのプロセスとストーリーは当たり前のように、行きたいわけじゃないですか。プロ野球で終わらせるかっていう話ですよね。
自分が始めたものをプロ野球で終わらせることは、どうしても許されないんですよ。絶対にメジャーで戦うべきやし、そこについてきてくれたキャストたちは、年俸も上がるべきで、輝くべきで、価値あるべきだし、夢を見るべきなんです。今回のエルコレ参戦は言うなれば、メジャーデビューと思ってほしいです。やっぱりメジャーは厳しいけど、より洗練されるし、本気の人間しかいないですしね。その上で目指すのは、オリコン1位だということです。
──すごく分かりやすいです!
鳳 帝
僕は業界では異端児というか、けっこう突拍子もない事をするようなやつに見えると思うんですけど、今回のことに関しては、単発企画でも色物でもないということを強く言っておきたいと思います。
それはもちろん、話題になってもらったほうがグループにとっていい風が吹くし、いい流れができるとは思っているんですけど、だからといって短絡的に考えたことではありません。「エルコレの鳳帝」としてやる価値があると個人的にも思っていますし、「ブランドシェア」の概念を壊して、新しい概念をつくるのにうってつけの役だと思っています。「やる」に決まってるんですよ。
これからのエルコレは確実にとんでもないことになるし、確実に日本一になります。自分としてはその前に先駆けてやる、という気持ちです。
一部ではエルコレって「イケイケで悪」なイメージあるやないですか? もうその話自体、タブーと言うか……。でも、こんな話ができるのは僕しか居ないので、このタイミングだからこそ話してしまおうかと思ってます。
確かにイケイケなんすよ!(笑)
普通はそれを聞いたらコンプライアンスとか、時代に合ってないって思う訳やないですか。でも違うんすよ! そう言わないともうエルコレと戦っていけない位、エルコレがイケイケで強くなってきているんですよ。
エルコレはビジネス的にイケイケなんです。本気で日本一を獲りいってるから。けど決して悪じゃない! 悪だったら、あれだけの人が集まらないでしょ。現に自分も参戦する訳がないです。
ここまで本気に仲間達と一丸になって「日本一」を獲りにいってる組織は、エルコレ以外ないんです。ピラミッド組織じゃなく円な組織だからこそ、達成した時にたまたまそこに居たということではなく、皆で分かち合えるのだと確信しています。
イケイケと聞いただけで悪だと勘違いしている業者関係者の皆さん、2年後後悔しますよ! だって鳳帝が、GROUP ANARCHYが参戦したという、コレが答えやないですか?
これから先はまた業界のあり方、概念が目まぐるしく変わっていくと思いますが、俺はあくまでもその最先端に立っていると思います。「また鳳帝が、GROUP ANARCHY がなんかするのか」という目で見ている方々に対しては、まあ見とけと言う感じです。
──挑戦的なメッセージですね。ブランドシェアと伺った時は驚きましたが、これはすごく前向きなお話で、帝さんは今新たにやる気に満ちているということがよく分かりました。ありがとうございました!