【膝を抱える1,200万プレイリー】BTF郁也幹部補佐・特別インタビュー──半年売上ゼロでも諦めなかったワケ
group BJ 伝説の男・『YU-MA』が社長として君臨する『BATTLE FIELD CLUB / バトルフィールドクラブ / BTF』。ここで月間1,100万や1,200万という売上を叩き出しながらも、なぜか「息してる?」と言われてしまうプレーヤー(プレイリー)がいます。
その名は『郁也 / いくや』。すらっと背が高くシックな装いに、さわやかながらすこしカゲのある微笑みが特徴の、少年らしさと男らしさを併せ持つイケメンです。
2020年、コロナ禍で世界的に不安があふれる中ホストの道を歩み出した『郁也』は、半年間売上ゼロという試練をどのように乗り越え、今の地位を獲得したのでしょうか? すべてを語っていただきましょう。
──郁也さん、よろしくお願いいたします。まずは1月度1,200万オーバー、おめでとうございます!
郁也
ありがとうございます!
──実感のほどはいかがでしょう。
郁也
年の初めからタイトルを獲らせていただいて、シンプルにめちゃめちゃ嬉しいです! ですが、実感としてはまだまだだなと思っています。
以前も月間1,100万円を売り上げたことがありまして、その時もどんなに高額なシャンパンを入れても、周りから「息してる?」と言われたり面白おかしく取り上げていただいて。ですので、「期待していただいているのかな」と自分自身ではポジティブに思うようにしているのですが、やっぱりまだまだ上に行かなきゃいけないと思っています。
──まだまだ、ですか。向上心がすごいですね。
郁也
いえいえ。ここまできたらもう、さらに突き進むしかないんです。
──頼もしいですね! この3月でホストになられてちょうど2年ということですが、落ち着きのなかにもフレッシュさを感じます。
郁也
フレッシュ! あまり言われたことがなかったかも……でも、そう見せようとはしています! 見せかけているだけですけどね(笑)
ホスト初日にコロナでお店がお休みになってしまった?!
──まずは郁也さんのことを教えてください。ご出身は東京ですか?
郁也
いえ、新潟の米農家です。
──米農家! じゃあやっぱりお米の味には一家言あるんですか?
郁也
うーん、そこまでではないですかね(笑)。 僕、何でも美味しく食べられるんですけど。でもやっぱり、実家のお米はおいしいなって思いますね。
──そうなんですね。新潟で生まれ育ってこられて……どうして歌舞伎町のホストになったのでしょうか。
郁也
2年前の3月に『CLUB GUYS / ガイズ』に入店させていただいて、去年『BTF』がオープンするタイミングで移籍しました。
入店当時は専門学校に通っていたのですが、学費のこととかコロナ禍で、実は満足に学校に通えていなくて。学校の寮も出なきゃいけない、となったときに、たまたま知り合いから現『GUYS FUKUOKA / ガイズフクオカ』社長の『真面出 総司 / まじで そうじ』さんを紹介していただいて。
もうやることも行くところもない、という状況だったので、「せっかく紹介して頂いたし、やるしかないか」という気持ちで入店しました。
──最初から「めちゃめちゃホストをやりたい!」と燃えておられたわけではなかったんですね。
郁也
はい、でもやっぱり始めるからにはと思って、入店前にいろいろと自分で調べたりして、「やりたいな」っていう前向きな気持ちはちゃんと持っていましたね。
──ですが入店してすぐ、お店の営業がコロナでストップしてしまったと伺っています。
郁也
そうなんです。入店して5日間の研修で、1人でもヘルプの席に着いたり、初回のお客様にも着けますよという状態になって、研修が終わったいざ次の日から、歌舞伎町が……というよりも社会全体が、緊急事態宣言でストップしてしまって。さあホストを始めようと思った時でした。
──そ、それでどうされたんですか。
郁也
僕、その時の持ち物が3,000円とリュックひとつだったので、お店の寮にお邪魔できることになりました。その時に一番お世話になったのが、現『Lead / リード』内勤の『エナジーつばさ』さんです。僕は人付き合いが苦手で、まだ他の寮の人とも仲良くできなかったのですが、そんな中よくご飯を奢っていただいたりと、唯一仲良くしていただいた先輩でした。
──つばささんがいなかったら、もしかしたら今ここにいらっしゃらなかったかもしれない?
郁也
いないと思います、はい。入店から1年くらいは相部屋で、本当にずっと一緒にいました。「緊急事態宣言になって働けない、どうしよう」という焦りは、そうやって乗り越えていました。
──折角なので、つばささんについて是非教えていただきたいです! どんな方なのでしょう。
郁也
つばささんにはちょっと変わった特徴がありまして。寮の目の前に自販機があるんですが、そこのペプシを酔っ払った後に飲んで……キレイな話でなくて恐縮なのですが……「ゲップをするとお酒が抜けるんだ」ということをつばささんが言っていたんです。
僕もやってみたら、本当にお酒が抜けるなっていう実感があって、なので酔っぱらうと毎回つばささんと深夜に寮を抜け出して、ペプシを買って一緒にゲップしていました。そういう色んなことを、つばささんには教えていただきました。
──これはいい話……なのでしょうか(笑)。 でも、素敵な先輩ですね。
人付き合いが苦手だから「空気」になろうと思った
──先ほど「人付き合いが苦手」とおっしゃってましたが、それはもう昔からだったんですか?
郁也
はい、実は今もでもなかなか苦手です。慣れた方だとは思いますが、やっぱり人の顔色をうかがったり、「嫌われないようにするにはどう立ち回ろうか」など、自分の中では考えています。
ただ幹部補佐に昇格させていただいて、後輩たちに何か言わなければいけない立場になると、この性格が邪魔します。幹部補佐としては良くないんですが、毎回何か発言する前には社長に「これ言ってもいいですか?」「後輩にどう言ったらいいですか?」とよく聞いたりしています。
──慎重派なんですね。
郁也
人付き合いが苦手だと、嫌われるのもイヤじゃないですか。だから言えないことが多くて……この接客業においては、良くないのかなって感じます。
──コンプレックスでありつつも、ホストとして乗り越えようと頑張っておられるのですね。ですがそんなに人付き合いが苦手な自覚がありながら、よくホストになろうと決心されましたね。
郁也
そうですね。入店当初は本当に飲めないし話もできないし、別段容姿がホストクラブに向いてる方でもなかったので、すごく大変でした。
──どんなことから頑張り始められましたか?
郁也
先輩と既に通われてるお客様の会話って、やっぱり身内ネタというか、僕からなにか切り出せるような話がなかったので、もう頷くとかリアクションを取るとか、お客様から見て不愉快にならない「空気」でいることを徹底しました。それしかできなかったので、そういう当たり前のことをずっと意識していました。
でもそれをやっているとだんだん、「あの先輩はこういう風に話すんだな」とか、「こういうタイミングでこういうことをするんだ!」というようなことを覚えていって。
──観察することで見えてきたものがあったんですね。
郁也
見ることしかできなかったので。でも人付き合い自体はまだ不得意ながら、「特段この人が苦手」というような意識はすっかりなくなりました。これが僕の接客のスタイルといえるかもしれません。
──ホストさんとしては、ちょっと不思議なスタイルですね。いま空気という言葉が出ましたが、郁也さんはそれこそ存在感についていろんなところで噂されているのを目にしていましたので、取材前は正直「どんな影の薄い人が来られるのか」と思っていて……(笑)
郁也
ああ、僕の「息してない」噂を(笑)
──でもいざお会いしてみると、身長もおありですし、とっても存在感がある方だなと思いました。1,200万プレイヤーの余裕が出たのでしょうか。
郁也
うーん、逆に余裕がないから、こういう感じになるのかもしれないですけどね。僕が早口なのも、かつて「早く会話を終わらせたい」みたいなことを無意識に考えていた名残りだと思いますし。人と目を合わせるのも僕、いまだに苦手なんですよ、めちゃめちゃ。慣れた方なんですけどね。
──面白い、と言っては失礼ですが、めずらしい1,200万プレイヤーですね。
辞めるならホストを嫌いになってからにしろ
──しかし郁也さん、実は入店して半年間売上がゼロだったとか。 当時の気持ち、覚えていますか。
郁也
もう「できない」っていう気持ちがありました。6ヶ月間数字がつかなくて、その間は日々、出来ないことばっかりでした。なにかひとつでも自分ができていることがあったら、「俺はできる」みたいな感じにもなれたかもしれないんですが、それすらもありませんでした。だから昨日も反省して、また今日も反省して、という日々をやっていくしかありませんでした。
──心が折れてしまいそうなお話です。
郁也
それでも諦めなかった理由と言ったら、やっぱり『GUYS』の『ロイ』代表代理と『大和 / やまと』主任の2人の存在が僕の中で大きいかなと思っています。ロイ代理はお店で圧倒的な不動のNo.1でいてくれたんで、僕も諦めずにナンバーの背中を追おうという気持ちになれました。
大和主任に関しては、僕が入店して2ヶ月ぐらいのときの話なのですが。『羽鳥 空 / はとり そら』補佐と『蓮 / れん』補佐とあともう何人かとを連れて、大和主任がご飯に連れて行ってくださったんですね。その時にもうボコボコに、2時間ぐらいお説教をしていただきまして。定食屋さんの中で、1対5人ぐらいですよ?
──集中砲火じゃないですか(笑)
郁也
そうそう(笑)。でも僕は当時、本当に社会経験がなくて、それにずっと田舎にいましたし、たとえば「エレベーターに乗るときは先輩に道を譲る、開ボタンを押して待つ」とか、そういう基本的なこともできなかったんです。だから「ああこのままじゃダメなんだな」と、「女性の扱いうんぬんより、まずはそこからなんだな」と気付かされて、気持ちが変わりました。それで、入店6か月を超えたあたりから、数字が少しずつ付き始めました。
──ゼロからのスタートだったんですね。諦めない姿勢が素晴らしいと思いました。
郁也
いえ、諦めも何回かあったんですけど。でもその度に YU-MA 社長や大和主任のところに行って……かまってほしかったというか、諦める理由が欲しかったというのもありますけど、止めてほしかったのかもしれません。とにかく毎回「辞めたい」と相談しました。
でもそのとき、YU-MA 社長からは「ホストを嫌いになってからやめろ」って言われて。僕はホストの仕事が嫌いではなかったので、辞める理由がなくなって、そのまま続けていたら、その後どんどん数字がついて、という展開になりました。
──いい話。諦めかけていたころからぐんぐん成長して、今や月間1,000万オーバーを果たすまでになったのですね。
ATSUSHI統括部長は「郁也宣伝部長」
──ところで『ATSUSHI / あつし』統括部長とものすごく仲がいいですよね。
郁也
いつも一緒にいさせていただいてますし、Twitterでも毎日のようにイジられてます(笑)。でも最初はほとんど面識がありませんでした。僕はずっと『GUYS』にいて、当時統括と仲が良い『吹雪 桜』補佐のチームだったので、いつも隣にはいたんですけど。ただ僕の数字がゼロだったので、いかんせん覚えてもらえなくて。
──ええー。
郁也
なので統括とは本当は付き合いがけっこう長いはずなんですけど、去年の3月に『BTF』の営業がスタートしてから、やっと覚えてもらえるようになりました。僕がシャンパンを毎日入れたりしてやっと認知していただいて、そこからですね。僕が Twitter でボトルの画像なんかを上げる度に「郁也、息してる?」っていう感じで絡んでいただいて、広めてくださいました。
── 1年かけてやっとのご接近でしたか。今や郁也さんの大宣伝部長的な存在ですよね。
郁也
本当にそうなんです。僕はなにもしてないので(笑)
目指すは『BTF』2号店!
──郁也さんは『BATTLE FIELD CLUB』に移籍されて、プレオープン時に月間1,100万を達成と、急激に伸びられたわけですよね。
郁也
そうですね、いきなり数字が上がりましたね。
──なにか心境の変化などあったのでしょうか?
郁也
その前の月に YU-MA 社長が1,100万を売り上げていて、毎日「負けたくない」とこだわっていたら、1,000万が見えてきたんです。『BTF』に移籍したばかりだったということもあって、タイミングがうまく重なったのかなと思います。
──有言実行でかっこいいです。1,100万プレイヤーになってから、何か変わったことはありますか?
郁也
1,100万を達成したときはめちゃめちゃ嬉しかったですが、実感がなさすぎて。プレッシャーの方が大きかったですね。1,100万を売ったからには、言葉に責任も生まれてしまうし、周りからの見られ方も変わるなと思いました。
でも、今までなんとなく「頑張りたい」というざっくりしたホスト観でいたのが、それからは自分でどうしたいのかをちゃんと考えるようになりました。なのであのときが、ホストとしての僕の大きな分岐点になったなと、一番印象に残っています。
──1,100万を売ったことで、ホストとしての階段を1歩上がられたのですね。その後も順調にナンバーに名を連ねて、今回は1,200万を達成されて、絶好調な郁也さんですが。キャストの皆さんに伝えたいことはありますか?
郁也
これは僕の経験から話すのですが……頑張っていれば、当然辛い時もあると思います。そんなときは何事も、逃げる理由を考えるのではなく、自分のできることを全てやってみてほしいなと思います。
全部やってそれでもダメだなって思ったら、やめてもいいのかなって僕は思うんです。でも諦める前に、まずは全部やってから。僕は辛かったら社長に丸投げしていたので(笑)、そういう頼れる人が誰かひとり、いたらいいのかなと思います。
──それはつまり、「辛いときは俺に頼りなよ」というお話……
郁也
(即答で)ではないですね!
──なんでですか(笑)
郁也
僕もまだまだ頼る側なので……。でもとにかく僕の経験のひとつとして、これは確実に言えるかなって思います。
──うんうん。最後に、今後の目標を教えていただいてもいいですか?
郁也
はい、お店全体に関してはいつ、も短期目標を立てていて、それを超えるのはもう時間の問題で今月中にいけるかなと思うのですが。
──お店が順調な証拠ですね。
郁也
もっと大きな目標は、月間1億を超えてグループナンバーワンを取って、そして『BTF』 2 店舗目のオープンと YU-MA 社長の管轄ができることです。
個人としては年間1億とグループナンバーTOP 10入りは必ずしないとその先が見えてこないので、まずはそこからの勝負かなって思っています。
──しっかり目標を見据えてらっしゃるんですね。これからが楽しみです! 最後にこれだけ言わせていただきますね。
「郁也、息してる?」
郁也
あはは! ありがとうございます! 統括以外から初めて言われました。
──いやいや、みんなから言われてるじゃないんですか?
郁也
みんな、そんなに言わないんです。最近チョコチョコ言われ始めたぐらいです。僕もやっと注目度が上がってきましたかね……?
──爆上がり中です! これからも頑張ってください。応援しています。
郁也
ありがとうございます!