情報収集こそ、ファンを増やす大きな力──地道な努力が導く成功者への道【一条ヒカルのヒカル通信】
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『一条ヒカルのヒカル通信』第4回。歌舞伎町すべてのホストクラブを調べ尽くし「ホストジャーナリスト」という新しい肩書きを創った男・心之♂友也さんとの対談が実現しました。
現役時代は、月間最高売上3,300万&指名本数1,450本を記録。groupdandyの2億円店舗『CANDY』の2号店『CANDY’S HEAVEN』を立ち上げ、1年で拡大移転を果たした心之♂友也 代表取締役。
対するは、「人間力教育」を掲げ、未経験者からでも売上1億を達成するホストを続々と育て上げるgroup BJ ONE’S CREATION 一条ヒカル社長。
今回の対談では、歌舞伎町250以上の店舗のすべてをリサーチ・インプットしていた心之♂友也さんの現役時代のお話を通じて、女性からの支持を集める「情報の使い方」を紐解いていきます。今や教育者として次世代の教育に勤しむお二人。「真面目であれ」と解き続ける、売れる「ホスト」の真髄とは。
なぜ、あるがままの自分で勝てると思うのか
本対談は、風林会館の地下一階に拡大移転したばかりの『CANDY’S HEAVEN』にて行われました。面識はありつつも、対談は初めてというお二人。出会ったころの当時のお互いの印象についてから、お話は始まりました。
一条ヒカル:
僕と友也さんが初めて会ったのは、テレビの収録でしたよね。ご挨拶させていただいた時に、うちの店のVIP ROOMのソファの色を当てたんです。すごく印象に残っています。
心之♂友也:
現役時代は、歌舞伎町のホストクラブの情報を知りうる限りすべて頭に入れていました。当時は250店舗くらい。ビル名を言ってもらえれば、入っているホストクラブとキャスト名、内装まで話せましたね(笑)。
一条ヒカル:
「ホストジャーナリスト」の所以ですよね。すごく勉強しているんだなと尊敬したと共に、この存在は怖いと思いました(笑)。
一条ヒカル:
だって、僕のお客様が友也さんのところに遊びに行ったら、話も盛り上がるし楽しいじゃないですか。店や人を覚えるって、ある意味誰にでもできることを、友也さんは完璧にやっていた。なぜ、それをしようと思ったんですか?
心之♂友也:
僕、大学時代にアルバイトでホストを始めて、気がついたんです。「この業界は、緻密に積み上げられたことがない」と。例えばラーメン屋を始めようと思ったら、ラーメンの作り方を学び、美味しいお店をリサーチしますよね。美味しい理由は何か、なぜ人気なのか。流行りや競合他社を知らないって、他の業界ではありえない。なのに、ホストクラブだけは越えるべき水準を知らないまま「俺たち最高!」と仕事をするんですよ。
一条ヒカル:
マーケティングだ。おっしゃる通りですね。
心之♂友也:
経営者さえ「俺たちが日本一をとるぞ!」と、ふわっとした夢を掲げる。じゃあ日本一ってどのレベルなのかを知っているのかと。今でいえば、月2億5000万くらい。それを知らぬまま、今1千万単位の売上から「○年後に日本一だ!」って、自分の体と時間だけで数字を叩き出そうとしている経営者がたくさんいる。
それなら僕は、「知ること」で戦略を練ろうと思いました。自分が戦う場所はどういう場所か。土壌を調べて、どうしたら勝てるかを考える。それをしない人が、多すぎるんですよね。
それにしても歌舞伎町全店舗とは……その知識はどこから得られたのですか?
心之♂友也:
僕たちがおもてなしをするのは女性です。だから、毎日接客する中で女性から出てくるキーワードでわからないものがあれば調べて、次の出勤までに詳しくなる、をとにかく繰り返しました。
ホストクラブに詳しくなったきっかけも同じで、「他のホストクラブには行くな」「俺だけ見ろよ」と他のお店を知ろうとしないホストが多過ぎますが、僕は「どんなお店だった?」「担当さんのどういうところが好き?」と聞きます。だって、売れている人がいるなら、その人から学べばいいじゃないですか。良いところだけを抽出して自分に取り込めばいい。
一条ヒカル:
これはめっちゃモテる人だ。女性は共有・共感したい生き物なので、話を聞いてくれる人、賛同してくれる人には、会いたくなるし話したくなるんですよね。
心之♂友也:
「なんでそっちに行くんだろう」と悔しくても、良いところがあるなら「そりゃあ魅力的だな」って。「じゃあどう越えようか」ここが『頭を使うべきポイント』です。相手の良いところを抽出して取り入れる。僕が彼を超えていったら、自然とそのお店には行かなくなるじゃないですか。
一条ヒカル:
「誰にでもできることを完璧にやる人」と言いましたけど、これ何がすごいかって、どう頑張ったら売れるのかを、自分の体験を持って人に教えられること。教育者としても、尊敬します。
お客様が少ない・売上がないホストは、ファンが作れていない。ファンを作れる人は、ここまで緻密にやっているんだって、知って欲しいですよね。この業界、自分の人生観や人間性だけでなんとかできると思っている人が、多すぎるから。
「女たらし」のままか、お金をいただく「プロ」になるか
お話を聞いていると、「ホストとしてファンをつくる」と「モテる」は、似て非なるものなのでしょうか?
心之♂友也:
そうなんですよ。学生時代モテたからと、この業界に入ってくるホストが多いですけど、ビジネスとしてモテるとは全く違う。だって、学生時代、5万10万とお金をいただいて女性と話していた人なんて、ほぼいないですよね。モテなかったからこそ、「どうしたら好きになってもらえるんだろう」と考えるし、花開くことがあるなと思いますね。
一条ヒカル:
わかります。持って生まれたものだけで勝負しようとする人は、苦労するイメージがありますね。プロか、ただの女たらしかの境目。お金をいただくということは、そこまで考えを深めて自分の行動を変えなければいけない。
ただ一つ気になったんですけど、経営者としては従業員に他のお店をそこまで見られると困ることがあるんですよ。隣の芝が青く見えて「こっちの方が良いお店かも」って、他に行きたくなったりしないのかなと。でも友也さんはずっと同じお店で働いていますよね。
心之♂友也:
そこはぶれなかったですね。これは直感としか言いようがないですけど、当時200店舗ほど、求人も出ている限り全部見たんですよ。そこまでやったので「自分が選んだこの店で頑張れば、絶対に大丈夫だ」という根拠のない自信がありました。そもそも、組織をコロコロ変える人間が成功するわけがないので。
一条ヒカル:
自分が決めた組織でやりぬくってことですね。これすごく大事で、お店をすぐに変えたがる子って、自分でやれることをやりきっていない場合が多い。初心者からの教育を謳っていた group BJ でも、最近は中途の子も入ってくるようになったんですよ。その子たちに店を移る理由を聞くと「自分で改善できることはあったんじゃない?」と、思うことも多々あって。
心之♂友也:
あとは、頑張る期間が短すぎる気もしますね。ホストの仕事で大事なことって明確で、成功した人が教えてくれる成功の秘訣を、続けられるかどうか。みんな実行はできるんです。ただ、続かない。
結果が出ない=無駄だと思って辞めてしまうけど、明日芽が出るかもしれない努力を積み重ねてきたのにもったいない、と思う。ホストの仕事は、2〜3年後に突然月収3桁になったりするんです。なのに、「今日頑張ったのにだめだった」「3カ月頑張ったけど無駄だった」とつい口にしてしまう。でも3カ月続けたことに、意味があるのではないのかと。
一条ヒカル:
ホストという仕事に対して、どこか「やっちゃいけない仕事」だと思っている子が多くて。「1年以内にお金を稼いでやめよう」「3年以上続けたら人生がだめになる」そう思うから、1〜2カ月努力して成果が出ないなら変えようってなるんですよね。
心之♂友也:
スポーツや受験と一緒。素人が3カ月でプロ野球選手になれますか? 東大に入れますか? という話で。地道な努力を一歩ずつ何年も積み重ねて、ようやく届くか届かないかの場所を目指すのに、なんでホストは数カ月でトップになれないと無駄なんだって、思っちゃいます。
一条ヒカル:
すごくしっくりきました。友也さんは、この業界に就職する気持ちで入ってきているんですよね。この仕事で生きていこうと思っているから、知識を深める努力が続けられる。プロなんですよ。
心之♂友也:
ホストはやり方を間違えずに真面目に取り組めば、ちゃんと良い方向にいきます。僕は、続けて良かったなと思う。そこにはヒカルさんの存在も大きくて、僕が歌舞伎町に足を踏み入れた時、すでにヒカルさんは大スターだったんですよ。看板や雑誌で見るこの人みたいになりたいと頑張って、グループ1位を取った。そうしたら、ヒカルさんはもう経営者という次のステージにいて。いつでも目指す姿でいてくれる。
このまま40~50代になったとしても、生き方さえしっかりしていれば大丈夫だと、ホストの寿命の長さを体現してくれていると思います。歌舞伎町に生きる人間として、いつも追いつけない場所にいてくれることがありがたいなと、僕は思っているんです。
「真面目である」は最大の武器になる
友也さんは『CANDY’S HEAVEN』を拡大移転、ヒカルさんは管轄5店舗目を出店と、歌舞伎町に明るいニュースを届けていますが、これからのお二人の目標をお聞きしてもいいですか?
心之♂友也:
こんな風に言って良いものか迷うんですけど、僕、夢や目標って、ないんです。昔はね、たこ焼き屋さんをやりたいなと思っていたんですけど。
一条ヒカル:
たこ焼き屋さん! 良いですね!
心之♂友也:
開業資金を貯めようと思ったら500万円程度でできると知って、それじゃあすぐにできちゃうし、その先ちょっとつまらないなと。でも頑張っていたら新店舗のチャンスが来て、ちょうど良いハコがあったから、じゃあ育ててもらった恩返しにやってみようかと。常に目の前のことに真剣になれば、自ずと次のステージは見えてくる。選択肢は、真面目にやっている人間の前にいくらでも降り注いできます。
一条ヒカル:
夢がないというよりは、天井を決めない、ということですよね。
心之♂友也:
ヒカルさんも、すごく真面目に小さなことをコツコツ続けて、今となっては、ホスト業界を辞めたとしても、なんでも出来ますよね。でも、ホストを続けることを選んでいる。
一条ヒカル:
そうですね。最近よく言うんですよ、「僕たちも自立しないと」って。ホストとしてのNo.1を育てることも大事だけど、同時にホスト以外でもやっていける人材を育てる。だって、これほど全部できる仕事って他にないですよ。
アイドルになりたければ、アイドルになれる。お金を稼ぐことも、経営の勉強もできる。上司・同僚・後輩・女性とはこう接しようって、人事や対人関係に強くなる。
心之♂友也:
コンサルティングも学べますよね。
一条ヒカル:
そうそう。自己プロデュースも続けるし、マーケティングも、いつの間にか身について出来るようになる。そうして、30代でまとまったお金を持てたとして、例えばたこ焼き屋さんを始めたら、スペシャルなたこ焼き屋さんができると思うんですよ。それって、めっちゃ面白いじゃないですか。
なのになんでみんな焦るんだろうと。この仕事には学べることがすごくたくさんあるのに「このままじゃだめだ!」って飛び出して行く子が多い。もうちょっと学んでもいいのになって思いながら、見送りますね。
心之♂友也:
本当に、いろいろな勉強ができますよね。
一条ヒカル:
あとは、グループを転々とするのも良いんですけど、「長く居続けることで学べる価値」を手放してしまうのはもったいない。移店は華やかに見えますけど、30代以降も仕事として続けていきたいのなら、同じ店である一定のキャリアを積むべき。短い期間では、同じお店でも起こりうる変化は学べないんです。
心之♂友也:
すごくわかります。転々とする人は、いつまでたっても「組織の核」になれないですよね。
一条ヒカル:
個人としてもお店としても、良い時もあれば悪い時もある。それらを乗り越えていった経験がないと、いざ自分で商売したときに、お店が流行らなければ焦るだけ。そこが懸念されるなと思っています。
心之♂友也:
日本の教育がなぜ、6年・3年と長い期間を定めて過ごすのか。本質的な部分を考えれば、半年や1年で物事を決断してしまうことのもったいなさに気づけると思うんですけどね。すぐに辞められない縛りの中で、嫌なことがあるからこそ耐えたりとか、問題解決する策を練ろう、誰かと手を組もうって考えるじゃないですか。
一条ヒカル:
グループが違っても教えることは同じですね。その子にとっての足りていないところを伝えていくしかない。その先は、「自分で考えて動く力」をいかに身につけていけるかですよね。今年は「自分たちで考えて物事を動かす力」を身につけてもらうことに、注力していこうと思っています。そのために「知る」は、大事ですね。
心之♂友也:
情報は、成功へと続く大きな力。だから、知っておいて損はない。そしてもう一つ大事なことは、「今を知る」ということですよね。今は令和に価値があるものを提供すべきで、縄文時代のものは受け入れられないし、早すぎてもだめ。昔のプライドや栄光に縛られないことは、大事だと思います。
変化を恐れず、今に馴染む。これから来るものをかぎつけて選ぶためにも、情報収集は絶えず、続けていくと思います。
<INFORMATION>
■『CANDY’S HEAVEN』拡大移転!
地上で唯一の天国が現る。
月間売上2億超え店舗としてホスト界の頂に君臨したCANDYから2号店として『HEAVEN』が降誕。
0からCANDYを創造し、groupdandyの歴史を塗り替えた『心之♂友也』が織りなす理想郷。
頂点を越えた“超天”へ……
求人連絡先 電話番号 / LINE
080-1335-1682 / ID:heaven1059
■ group BJ ONE’S CREATION 一条ヒカルプロデュース5店舗目『THE BUTLER’S CLUB』誕生!
取材協力:合同会社 LA BOUSSOLE
取材・編集 柴田佐世子
撮影 池田実加
監修 柴山由香
怖い、ですか?